Quartz, Riebeckite & Albite
Locality: Zagi Mountain, Hameed Abad Kafoor Dheri,
Peshawar, Khyber Pakhtunkhwa, Pakistan
Size: 75mm x 61mm x 52mm
Weight: 218g
商品説明:
奇跡のような形状のリーベカイト入りザギマウンテンクォーツです。アルバイトに挟まれるようにして、綺麗なクォーツが二つ頭を出しています。内外のブルーグレーのリーベカイトが美しい、実に面白い標本です。
母体のクォーツは表面を白、黒、青灰色等の針状、繊維状のリーベカイトに厚く覆われ、内部もリーベカイトが内包されて青白くなっているのがわかります。そして母体に付いたアルバイトの間に、母体から伸びたクォーツの結晶がその双頭を出しています。左右共にうっすらとスモーキーで透明度が高く、無数のリーベカイトが内包されていますが、どちらも表面には母体部分のようなリーベカイトの付着は見られません。また、右側の上部はクラックを境にブルーに染まっており、その美しい色合いを観察できます。この右側部分には、小さなレコードキーパーが見られ、アルバイトとの空隙を埋めるようにエピドートの塊も付いています。不思議な特徴と見所の多い、これまでに見たことがないようなザギマウンテンクォーツです。
産地のザギマウンテンは、パキスタンのトライバルエリアに位置する、小高い丘の様な小さな山です。実際には西側の山地一帯、少なくともカブール川沿いのワルサックダム近辺までは採掘地が広がっていると考えられます。レアアースが採掘されることで知られ、星葉石(Astrophyllite)やリーベック閃石(Riebeckite)、金紅石(Rutile)等を内包したヴァラエティに富んだ独特の色合いと形状の水晶が人気です。その他にバストネス石(Bastnasite)、蛍石(Fluorite)、ガドリン石 (Gadolinite)、ジェントヘルバイト(Genthelvite)、チタン鉄鉱(Ilmenite)、モナズ石(Monazaite)、パリス石 (Parisite)、ラブドフェン(Rhabdophane)、楔石(Titanite)、ベスブ石 (Vesuvianite)、ゼノタイム(Xenotime)、ジルコン(Zircon)など稀有な鉱物も産出します。周辺が危険な地域にあり政情も不安定であるため、研究がなかなか進まず未だに謎が多いそうです。
各鉱物の特徴:
<水晶(クォーツ/Quartz)>
肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。
<リーベック閃石(リーベカイト/Riebeckite)>
ナトリウムを主成分とするアルカリ角閃石の一種です。単斜晶形で色は黒〜灰・青色およびその中間色で、長柱状や針状、繊維状の結晶が主に広域変成岩中に産出します。繊維状の結晶はクロシドライト(Crocidolite)、マグネシウムに富むものは苦土リーベック閃石(Magnesioriebeckite)、マグネシウムとアルミニウムに富むものは藍閃石(Glaucophane)として分類されます。
※繊維状の角閃石類は、健康に害を及ぼすおそれがありますので、顔を近づけたり吸入したりすることのないよう、自己の責任においてお子様の手の届かないところに厳重に保管・管理くださるようよろしくお願い申し上げます。
<曹長石 (アルバイト/Albite)>
ナトリウムを主成分とし、花崗岩、流紋岩やペグマタイト等に含まれる斜長石です。板状や塊状、粒状、短柱状などで産出します。白や透明の薄い板状のクリーブランド石(Cleavelandite)や、長柱状のペリクリン(Pericline)などいくつかの種類があります。
▲ アルバイトでクォーツをサンドイッチにしている状態です。
▲▼ 母体部分の表面はリーベカイトで覆われ、モコモコとした特徴的な質感になっています。
▲▼ アルバイトもかなり大きな塊なのがわかります。
▲ この向きに置くとクリアな水晶部分およびその周辺をよく観察できます。本当に面白い景色です。
▲▼ 不思議な後ろ姿です。前面のクォーツの双頭と母体が繋がっているのがはっきりと見て取れます。
▲▼ 母体部分と全く違う表情なのが本当に不思議です。
▲▼ それぞれブルーグレーのリーベカイトが無数に内包されています。下画像のクォーツは青く染まっている部分があります。
▲▼ クォーツの表面をリーベカイトが干渉し、刻み、覆うことで、モコモコした独特のとても特徴的な姿になっています。
▲▼ クリアなクォーツ内にリーベカイトの漂う姿が、幻想的でとても美しいです。
▲▼ 大きくて綺麗なレインボーが出ています。この標本の色々なところにレインボーが見られます。右側は縦に暗緑色のリーベカイトが挟まっています。
▲ 美しい色合いのブルークォーツです。
▲▼ 母体部分表面の、険しくもワイルドな生命力溢れる姿に時を忘れて見入ってしまいます。
▲▼ 直線的なリーベカイトの内包のされ方が特徴的です。下画像を見ると微細な白っぽいリーベカイトもびっしりと詰まっているのがわかります。
▲ アルバイトにもリーベカイトが内包され、また付着しています。
▲▼ 水中のような透き通った美しさの不思議な世界です。虹がそこかしこに出ています。
▲▼ 迫力たっぷりです。繊維状の部分、酸化が見られる部分、色々な付き方をしている大小・色合い様々なリーベカイトの結晶が見られます。
▲▼ 顕微鏡画像です。上画像は水晶内の迫力のある太めのリーベカイトを中心に、また右下は虹をバックに撮影しました。下画像上段は水晶表面上のリーベカイトで、下段はアルバイト上のリーベカイトです。色形共にバラエティのとても豊富な鉱物です。所々、仕入先の梱包資材の微細な赤い繊維が付着しているのも見えます。