商品説明：
　ブラックリーベカイトを内包する両錐状の結晶を中心とした、母岩付きタイプのザギマウンテン産クォーツです。エッチングによる歪で緻密な結晶造形と、アストロフィライトを含む繊維状のインクルージョンも見所です。

＜Zagi Mountain＞
　産地のザギマウンテンは、パキスタンのトライバルエリアに位置する、小高い丘の様な小さな山です。実際には西側の山地一帯、少なくともカブール川沿いのワルサックダム近辺までは採掘地が広がっていると考えられます。レアアースが採掘されることで知られ、星葉石(Astrophyllite)やリーベック閃石(Riebeckite)、金紅石(Rutile)等を内包したヴァラエティに富んだ独特の色合いと形状の水晶が人気です。その他にバストネス石(Bastnasite)、蛍石(Fluorite)、ガドリン石 (Gadolinite)、ジェントヘルバイト(Genthelvite)、チタン鉄鉱(Ilmenite)、モナズ石(Monazaite)、パリス石 (Parisite)、ラブドフェン(Rhabdophane)、楔石(Titanite)、ベスブ石 (Vesuvianite)、ゼノタイム(Xenotime)、ジルコン(Zircon)など稀有な鉱物も産出します。周辺が危険な地域にあり政情も不安定であるため、研究がなかなか進まず未だに謎が多いそうです。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜リーベック閃石(リーベカイト/Riebeckite) - ☐Na₂(Fe²⁺₃Fe³⁺₂)Si₈O₂₂(OH)₂ / Monoclinic - ＞
　ナトリウムを主成分とするアルカリ角閃石の一種です。単斜晶形で色は黒〜灰・青色およびその中間色で、長柱状や針状、繊維状の結晶が主に広域変成岩中に産出します。繊維状の結晶はクロシドライト(Crocidolite)、マグネシウムに富むものは苦土リーベック閃石(Magnesioriebeckite)、マグネシウムとアルミニウムに富むものは藍閃石(Glaucophane)として分類されます。
※繊維状の角閃石類は、健康に害を及ぼすおそれがありますので、顔を近づけたり吸引したりすることのないよう、自己の責任においてお子様の手の届かないところに厳重に密封の上、保管・管理くださるようよろしくお願い申し上げます。

▲▼　両錐型のポイントを中心に、このタイプにしては高密度で結晶が群生しています。

▲▼　標本左部は、結晶がエッチングにより丸みを帯びた歪な形状になっています。高倍率のルーペで覗くと緻密な彫刻細工のような壮観な光景に圧倒されます。

▲▼　全体にアストロフィライトまたはリーベカイトらしき繊維状のインクルージョンも確認でき、その影響でややスモーキーな独特の透明感が出ています。茶色味の濃い部分はアストロフィライトがメインになっているようです。ザギマウンテンクォーツの中では軽視されがちなタイプですが、こちらは十二分に見応えがあり、しっかりと楽しめる充実度の高い標本です。