商品説明：
　仄かにスモーキーがかった端正な両錐連晶のクォーツに、鮮やかなグリーンのクローライトが堆積した、パキスタン産のキャラの濃い標本です。付随の小結晶の内部にまで続くクローライトの地平線に、忘れられないほどのインパクトを与えられます。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜緑泥石(クローライト/Chlorite) - A_5-6T₄Z₁₈ (A = Al, Fe²⁺, Fe³⁺, Li, Mg, Mn, or Ni / T = Al, Fe³⁺, Si, combination / Z = O and/or OH) / Monoclinic - ＞
　10数種ある緑泥石のグループの総称で、種によってマグネシウムや鉄、アルミニウムなどを主成分とします。鉄の含有率に比例して色調が濃くなり黒に近付きます。輝石や角閃石、黒雲母などが変質した石として、火成岩中や熱水鉱床の中にも広く見られます。独立した鉱物名ではありませんが、不特定な緑泥石グループの鉱物のことを単に緑泥石と呼ぶのが通例になっています。クリノクロア石(Clinochlore / Mg₅Al(AlSi₃O₁₀)(OH)₈)、シャモス石(Chamosite / (Fe²⁺,Mg,Al,Fe³⁺)₆(Si,Al)₄O₁₀(OH,O)₈)、クーク石(Cookeite / (Al,Li)₃Al₂(Si,Al)₄O₁₀(OH)₈)等が代表で、クロムを含む美しい赤紫のクリノクロア石は菫泥石(Chromian Clinochlore / Kämmererite)と呼ばれています。

▲▼　両錐の結晶が一周り連結して、非常に美しい形状をしています。付随の両錐小結晶もチャーミングです。

▲▼　上画像は真上からのアングルです。ファーデンなのか成長痕なのか、綺麗に組み合わさった連晶の内部で、白いラインがぐるりと一周しています。以下はしばらく上下逆さまにしての撮影画像です。

▲▼　ほの暗い色合いのクオーツに、深く鮮やかなグリーンの帽子が映えて可愛らしいです。

▲▼　端正な子結晶にもクローライトがたっぷりと詰め込まれています。

▲▼　クォーツ部分だけを見ると、パキスタンのカラコルム山脈を思い起こさせる、厳しくも凛とした表情をしています。

▲▼　しとしとと小雨のように降り注ぐミストと、パラパラと舞い落ちる粉雪のようなクローライトが、心に染み入る味わい深い風景を構築しています。

▲▼　風に巻き上げられたかのようなクローライトが、躍動感に満ちた地平性を描いています。一度見たらなかなか忘れられない、インパクトと魅力が詰まった面白い標本です。