商品説明：
　クオリティ抜群の美しいスモーキークォーツの内外に、大量のキャシテライトを伴った、ロシア産の非常に格好良い標本です。キャシテライトの独特な質感と、このクオリティのスモーキークォーツとの不思議な組み合わせが、何とも異様に感じられて飽きません。

各鉱物の特徴：
＜煙水晶(スモーキークォーツ/Smoky Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　水晶中のアルミニウム・イオンが放射線に反応することにより、このように茶色又は黒っぽい色になります。この原理を利用した人工着色のものもありますが、いずれも安全性の面で問題はありません。こちらは天然の煙水晶です。光を透過させない程に黒い煙水晶はモリオン(黒水晶/Morion)とも呼ばれています。

＜錫石 (キャシテライト/Cassiterite) - SnO₂ / Tetragonal -＞
　半透明〜不透明の褐色~暗褐色で、含まれる第二鉄の量によって色の濃さが変化すると考えられています。第二鉄が含まれていないものはほぼ白色となり、細粒では黄褐色〜黄色、条痕は黄褐色味を帯びた白色です。第二鉄の他にニオブやタンタルを副成分として含み、金紅石(Rutile / TiO₂)や軟マンガン鉱(Pyrolusite / Mn⁴⁺O₂)等と同じ結晶構造を持ちます。また、粒状や繊維状結晶の葡萄状集合体（木錫 / Wood Tin）、錐面を持つ四角柱状や四角両錐状、八角柱状等で、２個の結晶が肘形になったものや、５個の結晶が星型に繋がったもの等、様々な双晶を示します。花崗岩から派生した高温熱水鉱脈やグライゼン、花崗岩ペグマタイト、接触交代鉱床などに産出する他、花崗岩の風化で分離した錫石は、砂錫として砂礫中に濃集し大規模な砂鉱床を作ることもあります。

▲▼　透明度も照り艶も抜群のスモーキークォーツです。上品な色合いも美しいです。

▲▼　この標本、実はミストが隠れて良い仕事をしています。

▲▼　爆風で吹き飛ばされて突き刺さったかのように、キャシテライトがポイントに半身をめり込ませています。下画像中央が、当標本最大のキャシテライトの結晶です。赤身を帯びた黒い輝きの存在感がエグいです。

▲▼　キャシテライトの断片が、ミストに吹き上げられて舞っているかのようです。圧倒させられる力強い光景です。

▲▼　微妙な透明感を伴うキャシテライトのメタリックな輝きが、ひたすらに格好良いです。このスモーキークォーツとの組み合わせが何ともミスマッチに感じられて、不思議と見ていて飽きが来ません。素晴らしい標本だと思います。