商品説明：
　ザギの真骨頂の一つとも言うべき、グロテスクかつ緻密な結晶造形に彩られた歪な形状のアストロフィライトクォーツです。白味の強い黄金のアストロフィライトの流線の煌めきも圧巻の美しさです。

＜Zagi Mountain - Pakistan＞
　産地のザギマウンテンは、パキスタンのトライバルエリアに位置する、小高い丘の様な小さな山です。実際には西側の山地一帯、少なくともカブール川沿いのワルサックダム近辺までは採掘地が広がっていると考えられます。レアアースが採掘されることで知られ、星葉石(Astrophyllite)やリーベック閃石(Riebeckite)、金紅石(Rutile)等を内包したヴァラエティに富んだ独特の色合いと形状の水晶が人気です。その他にバストネス石(Bastnasite)、蛍石(Fluorite)、ガドリン石 (Gadolinite)、ジェントヘルバイト(Genthelvite)、チタン鉄鉱(Ilmenite)、モナズ石(Monazaite)、パリス石 (Parisite)、ラブドフェン(Rhabdophane)、楔石(Titanite)、ベスブ石 (Vesuvianite)、ゼノタイム(Xenotime)、ジルコン(Zircon)など稀有な鉱物も産出します。周辺が危険な地域にあり政情も不安定であるため、研究がなかなか進まず未だに謎が多いそうです。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜星葉石 (アストロフィライト/Astrophyllite) - K₂NaFe²⁺₇Ti₂(Si₄O₁₂)₂O₂(OH)₄F / Triclinic - ＞
　花崗岩や閃長岩などの深成岩中に産出する珪酸塩鉱物で、茶褐色や黄褐色、黄金色の板柱状や層状の他、葉片状の結晶が放射状に集合した星型の姿が典型的です。鉱物名は、ギリシャ語で星を意味するAstronと、葉を意味するPhullonに由来します。産地としてはロシアのコラ半島(Kola Peninsula)やノルウェイのランゲサンスフィヨルド (Langesundsfjorden)が有名です。

▲▼　歪に突き出た２つのコブがまず目を引きます。土台部分はリーベカイト混じりのフェルドスパーとクォーツが半々程度です。

▲▼　大きなコブに突き刺さるように、数々の小さな錐面が浮き上がっています。内包されるアストロフィライトの白味がかった緻密な流線も素晴らしい美しさです。

▲▼　コブを取り込むように細かな結晶が周りを覆い、標本の随所でも表面を這いまわっています。

▲▼　背面側の蕩けたような結晶が群がるグロテスクさも非常に格好良いです。ザギらしい見応えが充実した隙の無い良標本です。